1月5日。
日の出を見た後、朝食を食べ、露天風呂に入り、カラオケをした。
そして再び熱海サンビーチへ。

尾崎紅葉さん未完の小説『金色夜叉』の登場人物の2人。
どんなシーンか知らないが、貫一がお宮を足蹴にしている。

20年ほど前。
結婚もしていなかった。
亜弥とこちらを訪れたとき、貫一お宮と同じポーズをし、銅像の前で写真を撮ってもらった。
当然のように、
- 足蹴にするのは亜弥で、
- 足蹴にされるのは私だ。
写真を撮ってくれた観光客っぽい夫婦が、微笑ましそうにしてくれていたのを覚えている。
そんなことを知るはずのない子どもたちだったが、
「私、足蹴にする方がいい」
「俺、蹴られてる方が楽しそう」
あおば(仮名:中2娘)と、希一(仮名:小6息子)がそう言いながら、銅像の前でポーズを取る。
亜弥と2人で笑ってしまった。
あのとき、この瞬間を想像すらしなかった。
まさか自分たちの子どもの写真を、同じようにここで撮るなんて。
「私がフッたままだったら、2人はいなかったわね」
「俺ががんばって追いかけてなかった、生まれてなかったやろうな」
「私が離婚に踏み切ってたら、、、」
「その節は、申し訳ありませんでした」
浜辺に走っていく子ども2人の背中を目で追いながら、亜弥が吹き出す。
「お父さ〜ん、昨日の続き、2回戦やるよー!『波から城を守れゲーム』」
「絶対勝つ!!」
2人の待つ波打ち際に、2人でゆっくり歩いていくのであった。