暗い雪道。
久しぶりにジョギングをする。
真っ暗だと本当になにも見えない。
いつ転倒してもおかしくないと感じる。
少し明るくなってくる。
すると、誰かの足跡が見えてきて、そこを踏めば安全だとわかり安心する。

でも不思議なことに、明るくなりすぎると、さっきよりも見える足跡が増えて迷いが生まれる。

どれを踏んでも安全。
そうなのだろうが、選択肢が多いと迷うのだ。
一瞬一瞬で迷っていく。
歩は進んでいくのに。
歩は進んでいくからこそ、もうがむしゃらに選んでいくしかない。
その一歩一歩、
「なんとかなるな」
と思えると、やっと迷いがなくなってきた。
すると現れる。
全ての足跡を雪が消し去った道。

真っ暗なわけじゃない。
明かりは遠くにでもある。
一歩一歩すすめていく。
自分が最初の足跡をつけていく。
自然と笑みがこみあげてくる。
神社で昨年のお礼と新年の挨拶をすませ折り返す。
自分がつけた足跡がこちらを向いている。
それに向かい合うように、今の足跡をつけていく。
こっちに向かってくる足跡は、不格好につぶれているように見えた。
「昔の自分と話しているみたい」
不格好、潰れる、それでも大丈夫だったって言ってあげたい。
そんなことを考えていたら、嘘みたいに朝日が登ってきた。

目頭が熱くなってくる。
ジョギングをしているんだった。
知らんけど、目も汗をかくなんて、初めて知った。