行きつけのセブンイレブンがある。
平日の朝に寄ると、いつものお姉さんが、
「いつものでいい?」
と言いながら、ホットコーヒーの紙コップを、大・小ひとつずつ出してくれる。
「ありがとうございます」
そのままナナコで支払う。
一人なのに、コーヒーを大・小たのむこと。
それが2つとも入るタンブラーを持っていること。
そして、朝の同じ時間。
この3つが重なってか、顔を覚えられるのに時間はかからなかった。
とてもスムーズ。
土曜日に行くと、そうはいかない。
だから、あえて注文を変えてみる。
「カフェラテの小と、コーヒーの大きいのください」
「ホットでいいですか?」
「ホットで」
セブンイレブンのコーヒーは、濃さの調整もできる。
最近の好みは、大を濃いめで淹れて、小を普通で淹れてブレンドすること。
今回は、カフェラテをクリーミーで淹れて、コーヒーの大を濃いめで淹れてみた。
グランデくらいのサイズ感がある、オリジナルブレンドカフェラテのできあがり。
「いただきま〜す」
と、いつも通り言って、店を後にした瞬間、
……手が滑った。
進む時間が、ゆっくりになる。
飛んでいくタンブラー。
落下し、着地して。
カン、カラカラカラカラ……
とんでもなく美しくローリングしながら、転がっていくタンブラー。
回転方向がマッチしたのか、外れていくフタ。
サー
綺麗にまかれる、オリジナルブレンドカフェラテ。
「あららぁ、不運だってねぇ〜」
セブンイレブンに入っていくお客さんに声をかけられ、
また時間が普通に動き出す。
「すみません、コーヒーを床にぶちまけてしまいました。掃除道具など、お借りできますか」
「あらあら、いいですよぉ。水を撒きますから」
「ありがとうございます」

お詫びではないが、もう一度、同じものを注文して、入れ直した。

知らんけど。