希一が剣道の素振りをしていた。
「1、2、3…」
と数えながら。
すると突然、
「1、2、ライちゃん、4」
なんて言い出した。
3の倍数だけ、黒猫のライの名前を呼ぶらしい。

「何それ」
と思って見ていると、青葉が参戦。
「じゃあ、5の倍数はフウちゃんね。」

「1、2、ライちゃん、4、フウちゃん…」
やってみると、意外と難しい。
しかも、素振りしながらである。
さらに気づく。
「15はどうなるん?」
「ライちゃん、フウちゃん!」
二人で爆笑している。
その時点で十分カオスなのに、青葉がさらに言った。
「ゼニちゃんも入れよう。」
うちには、ゼニ子という亀もいる。

「じゃあ、素数のときはゼニちゃん!」
いやいや。
無理やろ。
3はライちゃんでもあり、ゼニちゃんでもある。
5はフウちゃんでもあり、ゼニちゃんでもある。
7も。
11も。
13も。
途中から何が何だか分からない。
ただ数を数えているだけなのに、急に難しくなった。
でも、ちょっと思った。
遊びって、こういうことなのかもしれない。
ただ数を数える。
そこへ猫が入る。
亀も入る。
ルールが一つ増えるたびに、面倒になる。
でも、その分だけ面白くなる。
大人になると、
「ルールが増えて大変だ」
なんて思いがちだけど、
もしかしたら、遊び方が増えているだけなのかもしれない。
青葉、誕生日おめでとう。
知らんけど。