仕事が少し早く終わった日があった。
希一をサッカーへ送り、そのついでに、青葉のユニクロへ付き合い、さらにそのついでに、ミスタードーナツへ。
希一はそのままサッカーへ行ったので、お店に入ったのは、亜弥(仮名:カミさん)と青葉と私の三人だった。
店内を歩いていると、亜弥が言う。
「シェイクも飲みたいし、ドーナツも食べたいなぁ♪」
すると青葉。
「一人一個でしょ。」
なるほど。
シェイクは一個カウント。
ドーナツも一個。
両方はダメということらしい。
二人でしばらく話し合っていた。
すると突然、
「じゃあ私はドーナツ二個でいい?」
そっちなん?
さっきまでの「一人一個」は、どこへ行った。
亜弥も、
「えっ、それでいいの?いいよいいよ。」
まぁなんだ。
話はまとまったらしい。
私もトングを持つ。
「じゃあ、ポン・デ・黒糖と……」
もう一つ取ろうとすると、
「お父さんは一個でしょ。」
え?
「あなた、シェイク飲むでしょ。」
「味見くらいはするけど。」
「だから一個。」
解せん。
シェイクを飲みたいと言い出したのは亜弥で、私は味見をするだけ。
なのに、ドーナツは一個。
なんでやねん。
結局、車に戻ると、
「一口。」
「ありがとう。」
「はい。」
「あいよ。」
ドーナツも、
シェイクも、
みんなで回し食べ、回し飲みしていた。
さっきまで、あんなに真剣にルールを決めていたのにね。
家族って、ルールを決める時間は長い。
でも最後は、だいたい分け合っている。
あの会議、何やったんやろ。
知らんけど。